コロナ禍でのバスキング

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僕のホームページをリニューアルすることになり、久しぶりに自分の書いたコラムを読むことになった。まあ、こうして過去に書いたものがあるというのは、その時の自分の考え方や思っていたことが確認できるわけでなかなかいいものである。

ということで、ここ数年間お休みにしていたコラムを再開したいと思う。

コロナ禍になってから、バスキングに出かける機会は随分と減ってしまった。スイスがロックダウン中は、少ないながら助成金ももらえたので、感染者数が少なくなった際にだけ演奏に出かけていた。

コロナによるバスキングへの影響を書いてみたいと思う。

まずロックダウン中は、演奏許可証を発行しない街があり、その時は基本的に街で演奏ができない状態だった。先に書いたように自分は無理に演奏しなかったので、この時バスキングしていたら、警察に止められるのか、あるいは罰金を払うことになったのかはわからない。

ロックダウンが終わると普通に演奏許可証をもらうことができた。以前と大きな違いは、バスカーの数が少ないということだ。1日に3組のミュージシャンが演奏しているのが普通の町でも僕一人きりということがほとんどだった。

たぶん政府のコロナ対策による国境でのコントロール強化が原因と思っていたのだが、ある日ドイツ人のハンドパンのバスカーと話した際、彼はコロナ予防接種は一回も受けておらず、それでも国境を問題なく越えることができたと言っていた。スイスのあとフランス経由でポルトガルに行くという計画を立てていたぐらいだ。本当のところはどうなのかよくわからない。

確かな事は、見かけるバスカーは非常に少なく、しかもそのバスカーはスイス在住のものがほとんどのように思える。国境を越えての移動が難しくなっていたのは事実だろう。

そのおかげもあり、僕としては演奏する時は、非常にやりやすい状況だった。バスカーの数を制限している街でもいつでも演奏ができている。従って演奏場所や時間も自分の好きなようにできる。通行人の反応も好意的で、コインの入りもコロナ以来好調を保っている。

コロナがヨーロッパに広まって来た当初は、アジア人に対する反感が広まっていて、どうだろうかと不安だったのだが、僕は一回も不快な思いをしなかった。少なくても演奏しているアジア人を避けて遠巻きに歩いていくのではないかと思っていたのだが、全く普通通りだった。

スイスの場合ずっと野外でのマスクの着用は、マーケットなどの人混みを除いては強制ではない。

「演奏時にマスクをすべきか?」ということが気がかりだった。

立ち止まって聞いてくれたとしても野外で僕からの距離は最低でも2メートル以上離れているので、感染する、あるいは感染させる可能性は低いので、どちらかと言えば「どう反応が変わるだろうか?」という疑問だ。尺八での演奏時はもちろんマスクをつけて演奏するわけにはいかないが、二胡の演奏時は、マスクは付けたり、外したりして比べてみた。

結果は違いなしだった。まあ、街中を歩いていること自体、それほどコロナに対して敏感ではないグループの人で、そんな事は気にはしていないという事かもわからない。

わかったのは、冬場の寒い日は顔が暖かくてマスクでの演奏も悪くないということだ。

これを機会にバスキングのルールを変更した街もあり、この後どうなっていくのかはわからない。たぶん、この2年でバスカーをやめてしまった人も多いのではないかと思う。ソ連や東欧からの出稼ぎバスカーは全然見かけないし、スイス在住者も休止している者も多いことだろう。

僕はとりあえず落ち着くまでは、自分なりにバスキングを続けていくつもりだ。